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2009.08.29

火の鳥 望郷編

押し入れを整理したら火の鳥が出てきたので読み始めた。
全巻とも一回は読んでいるので順序は気にせず、望郷編から。不毛の星にだまされて連れてこられた二人とその子孫が、いつか地球へ帰る日のために近親婚を続けるがその命が絶えそうになった時、火の鳥が他の星の生物を連れてきて混血により命をつなげていくという話。それなりにおもしろいのだが"恋愛を書けない"ことがこの話でも物足りなさを感じさせるところ。いつも火の鳥の全巻一気読みができないのは、ここに原因があるのではないかと思っている。

ところで、火の鳥全般について、人間が滅んで他の生物が支配するという話が多い。種の繁栄と衰退というのは、ナチスの優生思想が持ち上げられていた戦中に教育を受けた作者にとって優生論の否定は重要なテーマになっているのだろうと思っていた。

でも、最近になって火の鳥と同じ時期の映画に種の繁栄と衰退を描いた"猿の惑星"があり、その影響を受けているのではないかという疑問も湧いてきている。読者のレベルと時代の興味に合わせて漫画も描かれるのだとすれば、猿の惑星のイメージで作品を描くことは必然だったのではないかと思う。現に同時期に"ワースト"という人類滅亡を阻止する戦いを描いた漫画もあった。世界に冠たると自称する日本の漫画/アニメ文化も、時代を経て評価されると、"アメリカ文化の影響を強く受けた"というラベリングも致し方ないのかなと思う。戦後日本にとってアメリカ文化抜きで"物語"を語ることは不可能だったし、おそらくこれからもそうなのだろうと思う。

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