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2014.01.07

「昔はよかった」と言うけれど(大倉幸宏、新評論)

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明治から戦前にかけての時代も、日本人が素晴らしい人たちだけではなかったということを、文書記録を元に示している本。自民党の改憲案のような懐古主義への反論を目的として書かれているのだと思うが、はっきりそうだとは書かれていない。多くの事例は現在の類似の事例よりもひどいものが多くて、現在の日本人が最善という印象さえ受ける。

本書を読むまでは江戸、明治期には外国人から高い評価を受けていたという話ばかりをいろいろなメディアで見聞きしてきたため、当時の人達は武士道精神を受け継いで優秀だったのかなというような印象があったが、本書では悪い印象を持つ外国人もいた事例が挙げられていて、発展途上国として普通レベルの社会だった可能性もあることがわかる。日本人にもいろいろな人がいたが、外国人と接した人達はそれなりの教養もあって紳士としての対応ができていたが、そうでない人と接した時にはがっかりしたこともあったということかなと思う。

別の見方として、本書では身内(内輪)に対しては良い行動がとれる人でも公共の場での酷い行いも平気だったとも指摘されており、外国人の印象もその外国人が身内として扱われたのかどうかによっても評価が変わるのかもしれない。

本書で挙げられていない問題として感じたのは、事例についての記事の内容が誇張されている可能性があること。戦前のメディアは新聞も含めて新興勢力であり、今以上に商業ベースで売れることを重視した記事が作られていたはずで、内容が必要以上に脚色されている可能性がある。この点を考慮すると戦前も現在も大差ないのかもしれない。

書評から見つけた本なので、書いてある内容はほぼ予想通りだったが、読み進める途中は予想外にきつかった。ひどい事例をこれでもかと挙げられると、気分が暗くなりもう沢山という気分になってしまう。

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