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2014.07.06

絶対に受けたくない無駄な医療(室井一辰、日経BP)

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2014.07.04 読了

アメリカで始まっているという、”Choosing Wisely”という、効果のない医療をやめる活動の概要と、個別の治療毎の問題点を説明した本。日経ビジネスオンラインの著者の記事を読んで買ってみた。

アメリカでの活動が本当に各学会が積極的に参加したものならば画期的かもしれない。あるいはオバマケアで国民皆保険が始まるアメリカでの医療費の削減ニーズは大きいはずで、この活動は保険会社や政府などのお金を出す人たちからの圧力を示すもので、各学会の参画は形だけのものなのかもしれない。この本ではアメリカでお金を出す人が、この活動にどのように関与しているかが書かれておらず、その点で信頼性に欠ける。

本当に学会が参画しているのならば、意味のない医療行為はやめる、意味のある医療は非常に高額で低水準の皆保険の範囲では対応しないというシステムにして、実質的に低収入の人達には初歩的な医療だけを提供するシステムを組み上げるという意味なのかなと想像してみたりするが、その辺りも良く分からない。

印象としては週刊誌の特集記事に近い。現にこの著者は健保連と人間ドック学会の判定基準見直しネタで週刊誌に記事を書いたとも書かれている。疑い出せばきりがないが、室井という姓は金沢出身の室生犀星と連想するし、一辰の辰は金沢東方の卯辰山を連想する、そういうペンネームなのだろう。

自宅で死ぬ話の本とならんで、団塊の世代の医療費増大を抑えるがためのプロパガンダ本の一種のような読後感で、ちょっと損した気分になった。

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