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2014年12月

2014.12.22

認知症の「真実」(東田勉、講談社現代新書)

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2014.12.19 読了

認知症患者が薬漬けになっている実態の告発本。アリセプトなどの認知改善薬の効果が限定的であること、レビー小体型認知症では副作用が大きく規定量を使ってはいけないこと、行動・心理症状を抑えるために統合失調症薬が使用されるが、若い患者向けの用量のまま、薬漬けを目的にするような使われ方がされていることなどを訴えている。

認知症と薬の関係の予備知識がほとんどなかったので、薬の使われ方のイメージが得られた点は収穫。でも、「真実」というタイトルながら、これが真実なのかはわからない。医療費というパイの奪い合いをしている他の薬の利権につながる人が書かせたのかもしれないし、医療費全体を圧縮したい財務省のニーズにも適合しているようにも見える。介護の質の向上にお金を回すべきとも読めてしまう。

本書の知識をベースにこの先も情報収集を続けなければと思わせてくれる一冊だった。

2014.12.03

クリスマスキャロル(ディケンズ、達人出版会+Reader)

2014.12.02 読了

新訳を達人出版会が青空文庫+SONY Reader向けPDFとしてリリースしている電子書籍。

金銭欲の塊で人嫌い、クリスマスさえ無視する主人公が、クリスマスの夜に過去、現在、未来を象徴する精霊の訪問を受け、金銭的には豊かではなかったが人のつながりはあった少年時代、人から疎まれている現在と他の人達の豊かな人生、孤独死を迎えて財産さえ略奪される将来を見せつけられて恐れおののき、改心するという話。

1834年の本なので大塩平八郎の乱とか天保の改革と同時期。翻訳が最近の新訳であることも影響していると思うが、そんなに古い本には思えない。

里山資本主義(藻谷浩介+NHK広島取材班、角川ONEテーマ21、ReaderStore)

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2014.11.27読了。

表題通りに、木質チップによる発電や自給食糧などにより、地域内でお金でない資源を循環させることで経済を活性化しようという活動を紹介するとともに、その活動が、グローバル経済による経済不安定化への保険としても役立つはずという有益性を訴える本。

前半のNHK記者が書いている部分はミニコミ誌の記事か、セールス資料か何かのような、あまりに調子の良い話が続いていて、こういう状況を知らなかった人の興味をつかもうとする熱意はわかるものの、やや空回り気味。後半の藻谷さんが書いた部分についても、あまりにも楽観的でちょっと違和感を感じる。とはいえ、先日読んだ、資本主義の終わりの本への"回答"のようで、"グローバル資本主義は終わるかもしれないが、ローカル経済は別の基準で回り続けるよ"というメッセージは心強い。

でも、里山資源で生きていくためには、現在の人口はあまりにも多過ぎるのは明らかで、そういう時代は何らかの異変に起因した人口急減がグローバル経済の息の根を止めた時なのかもしれない。

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