« 2014年12月 | トップページ | 2015年2月 »

2015年1月

2015.01.20

坑夫(夏目漱石、青空文庫)

2015.01.20読了。

女性問題で家に居られなくなった19歳の青年が、自殺まで考えた家出の途中で鉱山労働者を集めるポン引き(作中では"ポン引き"とされている)に誘われて、関東近郊の鉱山でかろうじて事務職を得て働き始め、5か月後に山を去るまでの経験を語る一人語りの物語。鉱山労働者へは容赦ない偏見を突き付けながらも、その中で例外的な存在の"安さん"との出会いにより、変わっていく姿を書いている。

この"安さん"は"やすさん"なのか、中国、韓国系の"アンさん"なのか?とっさに世の中で普通に暮らせない状態の人物というところから、安重根を連想したが、伊藤博文暗殺よりも坑夫の発表が前だった。

Wikipediaで調べてみると、漱石を訪ねてきた実在の人物の経験談を元にしたルポルタージュのような作品らしい。

2015.01.19

日本の樹木(舘野正樹、ちくま新書)

Photo

2015.01.15読了。

樹木の生存戦略を分かりやすい表現で説明してくれている。植物の見方が一変する魅力的な本だった。樹木の種類ごとにカラー写真が付いていて、具体的にイメージできるのも良い。

常緑高木は長い寿命が期待されるため、幹や根を菌類や細菌類からの侵略に対して丈夫にする必要があり、密度を高める必要がある。そうなると成長速度が低下し、成長の初期には成長の速い樹木に負けてしまって、暗い林床で成長することになる。この場合は常緑樹となって1年中、葉を維持する戦略となる。

落葉高木は常緑高木ほどの密度は必要ではないため、密度を下げて成長を速くする。他の樹木よりも明るい環境で生育できるため、薄く、寿命の短い落葉性の葉を持つ。

中低木は洪水で流される可能性のある河川敷などの短い寿命が有利な場所に生育し、密度は低く、成長が速い。また、大きくなる前に寿命が来るため、小さな間に花や実を付けるする戦略になる。

2015.01.12

イニシエーション・ラブ(乾くるみ、ReaderStore)

2015.01.10読了。

ReaderStoreの2014年上半期ミステリー部門ベストセラーという謳い文句につられて読んでみた。

1980年代の青春ドラマ風という設定は、自分にとって懐かしいものだが、内容は至ってありきたりで、途中にミステリーはどこにも出てこないため、機械的に読み進めるしかない。最後の2行に隠されていた設定は、ああそう、という程度の驚きで、残念な結果。これだけのために読まされたのかと思うと、腹立たしい感じもしてくる。内容が明らかに男性向けの書き方の"昭和の娯楽小説"という感じなので、女性はさらに不愉快な読後感なのではないかと心配になってしまう。

これがベストセラーってReaderStoreはどうなっているのか?

« 2014年12月 | トップページ | 2015年2月 »